「天カセのパネル」の種類とデザイン配慮について

空調用の「室内機」と言えば、ご家庭にもある「ルームエアコン」が一般的かと思いますが、施設においては、ビルマル方式やパッケージ方式で採用される「天井カセット(通称:天カセ)」タイプが一般的かと思います。今回は、「天カセ」の意匠性に配慮した事例を紹介します。

◆目次

  • 気づき(白色パネル)
  • 事例1(黒色パネル)
  • 事例2(木目調パネル)
  • 事例3(茶色パネル)
  • その他(お勧めの商品)
  • まとめ(勘所)

◆気づき(白色のパネル)

下記の2枚の写真は、木目調のシートが貼られた天井に、「白色の天カセ(1方向吹き)タイプのパネル」が設置された、近景と遠景の写真です。天井が茶色色であるのに対し、天カセのパネル(フェイス)が、白色である為、思いっきり主張しているのが分かると思います。色の要素は増やさない方がシンプルに見える為、この場合は、「茶色」または「黒色」を選択するべきだったかと思います。ただ、少し明るめな天井の色味(木目)ですと、「黒色」を選択すると、アクセントとなってしまい(天カセのパネルの表面積が大きい為)、逆に目立ってしまうと思います。

◆事例1(黒色のパネル)

下記の2枚の写真は、天カセの「黒色のパネル」の近景と遠景の写真です。白色のパネルよりは、存在感がなくなり、空間に溶け込んでいるのが分かると思います。少し濃い目の木目の色である為、黒色のパネルがマッチしていると思います。

◆事例2(木目調のパネル)

下記の2枚の写真は、天カセの「木目調のパネル」の近景と遠景の写真です。白色や黒色のパネルよりは、存在感がなくなり、空間に溶け込んでいるのが分かると思います。天カセのパネルは、面積も大きい為、まずは、天井と「色合わせ」を行うべきと考えます。木目調の天井であった為、標準パネル4色(白、黒、茶、木目)から、「木目調パネル」を選んだのですが、天井の色味より「濃い茶色」であった為、明度の差により、少し浮いてしまっている印象も受けます。

◆事例3(茶色のパネル)

下記の2枚の写真は、天カセの「茶色のパネル」の近景と遠景の写真です。白色や黒色、さらには木目調のパネルよりは、存在感がなくなり、空間に溶け込んでいるのが分かると思います。標準パネル4色(白、黒、茶、木目)から、「茶色」を選んだのですが、木目よりこちらの方が、天井の色味と馴染んでいる印象です。まずは、色味を合わせる事を行い、サンプルを取り寄せ、実際に当ててみることが重要だと思います。

◆その他(お勧め商品)

下記の写真は、日立グローバルライフソリューションズ㈱から、2020年に発売された、「天カセ」です。オフィスは白い天井が多いと思います。その為、吹き出し口は通常の天カセと同様四週に配置されているのですが、吸い込み口のところが「白色のルーバー」で目隠しされており、遠目からみると天井に溶け込んでいるのが分かると思います。こちらの商品は、まだ使用したことが無いのですが、とてもシンプルなデザインである為、機会があれば、ぜひ採用したいと考えています。

◆まとめ(勘所)

今回は、「天カセのパネル」の種類と設置方法について、事例を基に紹介しました。パネルを選定する際の勘所としては、下記のとおりです。

<勘所>
・天カセのパネルの色は、天井に合わせて選定する。
・パネル色を決定する際は、必ずサンプルを取り寄せ、天井仕上げの色と照らし合わせ決める。

本ブログが、皆様のお役に立てればと思います。

以上、また投稿します。

KC

「量水器BOX(水道メーター)」の蓋の色の配慮について

建物の道路境界の箇所に、水道メーターを入れる為の「水色の量水器ボックス」を見かけることがあると思います。量水器ボックスが、建物の正面側に設置されていなければ、目につかない為問題ないと思いますが、エントランスまでのアプローチ動線上に、出てきてしまう場合、意匠的な配慮をしてあげるべきと考えます。今回は、量水器の意匠配慮事例を、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 事例1(蓋の色を変える)
  • 補足(水道局の基準、メーカーの紹介)
  • 事例2(鋳鉄製の量水器ボックスを設置)
  • まとめ(勘所)

◆気づき

下記の写真は、集合住宅(アパート)のエントランス前に設置された、複数の量水器ボックスの写真です。素材は樹脂製(正確にはPVC(ポリ塩化ビニル)製)です。この集合住宅は、各住戸の水道メーターを外構部分に設置している為、このように複数の水色の蓋の量水器ボックスが並ぶこととなっています。都市部は建蔽率および容積率を限界まで使う為、設置場所が限られてしまい、致し方ないかと思います。しかし、少しでも意匠性に配慮するには、どのような手法があるかを紹介したいと思います。

◆事例1(蓋の色を変える)

下記の写真は、集合住宅(アパート)のエントランスへ繋がるアプローチ部分です。こちらの事例も、先ほどの写真と同様に、各住戸の水道メーターを外構部分に設置している為、複数の水色の蓋の量水器ボックスが並んでいます。しかし、下記の写真の場合は、蓋の色を「白色」にしている為、水色ほど違和感はなく、意匠性に配慮している良い事例だと思います。

◆補足(水道局の基準)

蓋の色を変更してよいかどうかは、各自治体の水道局の基準にもよりますが、東京都水道局は、指定された製品であれば「蓋の色」は何色でも良いとのことです。(以下、リンク先参照)

東京都水道局への「蓋の色」についての問い合わせ(tokyo.lg.jp)

◆補足(メーカーの紹介)

蓋の色のラインナップを揃えている会社について、例えば下記の会社があります。以下のリンク先を参考にして頂ければと思います。

※引用元:栗本商事株式会社ホームページ

クリモト量水器BOX 色蓋|製品案内一覧|栗本商事株式会社 (kurimototrading.jp)

◆事例2(鋳鉄製の量水器ボックスを設置)

下記の写真は、集合住宅(マンション)の駐車場前に設置された、水道メーター(量水器ボックス)の写真です。「黒色の蓋」となっているのが分かると思います。こちらは、「鋳鉄製(ちゅうてつせい)」となっており、耐荷重が必要な場所、つまり、車両の通行がある場所(駐車場へのアプローチ、緊急車両停車場所)に用いられます。鋳鉄製の為、必然的に黒色となるのですが、意匠に配慮していると言えると思います。

◆まとめ(勘所)

今回は「量水器BOX(水道メーター)の蓋の色の配慮」について、紹介しました。まずは、設計段階で量水器ボックスの位置に配慮し、それでも、エントランス前に出てきてしまう場合は、蓋の色を変える事が必要だと思います。その為、今回の勘所としては、下記のとおりです。

<勘所>
・設計段階で、量水器ボックス(水道メーター)は、目立たない位置へ計画する。
・敢えて車両が通行する場所へ計画し、鋳鉄製(黒色)の製品を選定する。
・通常の場所の場合、樹脂製(基本は水色)となる為、指定色品を選定する。

以上、また投稿します。

KC

マンション廊下の「消火器」設置方法の配慮について

屋外・屋内問わず、廊下のあるマンションにて、消防法上、「消火器」が1台以上は設置されていると思います。マンションの廊下では、度々、消火器が露出で設置されているのを目にします。設計段階で、消火器の位置まで配慮出来ているか否かで、露骨に消火器を設置することになってしまいます。そこで、今回は消火器の上手な設置の仕方について、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 事例(屋内外廊下の消火器)
  • 良い事例1(屋外廊下の消火器)
  • 良い事例2(屋内廊下の消火器)
  • まとめ

◆気づき

下記の写真は、マンションの屋外廊下に面した、エレベータホールです。エレベータのボタンの下に「消火器」が設置されております。(ピンぼけしていて申し訳ございません)。消火器は、消防法上設置が義務付けられていますが、敢えてこの場所に設置しなくても良いと考えます。そこで今回は、屋外廊下において「消火器」の上手な設置の仕方について、紹介します。

◆事例(屋内外廊下の消火器)

下記の写真は、屋外廊下に設置された「消火器」です。こちらも「ぽつん」と消火器が設置されています。先ほどのEVホールに設置された消火器の事例ほど、気にはなりませんが、意匠に配慮しようと思う方であれば、このような場所に設置したくはないと、考えるかと思います。

ちなみに、下記の写真は、屋内廊下に設置された「消火器」です。こちらは、廊下の突き当りに設置されています。歩行の邪魔にはなりませんが、意匠に配慮するという意味では、隠した方が良いと考えます。では、どうするべきかについて、次の「良い事例」で紹介します。

◆良い事例1(屋外廊下の場合)

下記の写真は、玄関扉の横に設置されている「メーターボックス(電気メーターや給水メーター、電気の幹線や給水管、排水管が入っている場所)」の中に、消火器を設置している事例です。メーターボックスの納まり検討は、少し難しくはなりますが、とてもシンプルでスッキリします。SD(スチールドア)を計画する際に、消火器BOXをデザインすることで、下記の事例のような納まりは可能です。

◆良い事例2(屋外廊下の場合)

下記の写真は、マンションの屋内廊下(中廊下)にて、先ほどの事例と同様、にメーターボックスに組み込んでいる事例です。こちらも、とてもシンプルでスッキリしています。

◆まとめ

今回は「消火器の上手な設置の仕方」について、紹介しました。設計段階でメーターボックスのSDに細工をする配慮をしなければ、「ぽつん」と消火器が露出してしまいます。そこで、今回の勘所は、下記のとおりです。

<勘所>
・マンションの廊下に設置される消火器は、メーターボックスに組み込む。
・設計段階で、メーターボックスのSD(スチールドア)の扉をデザインする。

以上、また投稿します。

KC

「化粧蓋」とするときに気を付けること

外構の「マンホールの蓋」を選ぶ際、意匠に配慮する時は、必ず「化粧蓋」という商品を選定していると思います。しかし、せっかく意匠に配慮して選んだ「蓋」でも逆に、悪目立ちしているケースが良くある為、本日は、「化粧蓋とする時に、気をつけるべきこと」についてまとめます。

◆目次

  • 気づき
  • 事例1(一般的なマンホール)
  • 事例2(雨水用の化粧蓋)
  • 事例3(汚水雑排水用の化粧蓋)
  • 良い事例(化粧蓋)
  • まとめ

◆気づき

下記の写真は、賃貸マンションの外構の写真です。グレーのタイルでエントランスへのアプローチを舗装していますが、汚水桝の「蓋」が黒く目立ってしまっています。お洒落にエントランスを仕上げたら、化粧蓋の「枠」にまで、気を付けた方が良いと思いました。

◆事例(一般的なマンホール)

下記の写真は、汚水桝の「一般的な蓋」の写真です。最近は、塩ビ桝が多用されており、蓋も樹脂製のものが結構あります。化粧蓋としない場合は、下記のように、「白色(黒色もある)」の蓋となります。

また、下記の写真は、「鉄蓋」の写真です。マンホールと言えば、こちらの方が一般的かと思いましたので、一応、紹介しておきます。

◆事例2(雨水用の化粧蓋)

下記の写真は、雨水枡用の「化粧蓋」の事例です。存在感が消えており、意匠になじんでいると思います。ポイントは、「蓋の枠」と「蓋の角」がシンプルなデザインとなっている為です。では、全てこのデザインで統一すればよいかと思いますが、そう上手くはいかないことを「事例3」で説明します。

◆事例3(汚水雑排水用の化粧蓋)

下記の写真は、汚水桝用の化粧蓋を外した時のものです。なぜ、蓋の「枠」と「角」が悪目立ちするのかというと、汚水用の桝は、「臭い(臭気漏れ)」が発生する為、「防水・防臭型」を使用せざるを得ません。そうすると必然的に、「パッキン」や「ボルト」が出てくるため、枠や角が太くなってしまいます。

下記の写真のように、沢山の化粧蓋が出てきてしまうところは、そもそもの排水ルートを配慮するべきかもしれませんが、解決策を次の「良い事例」で説明します。

◆良い事例

下記の写真は、「ピンコロ石」で舗装された歩道上に、化粧蓋が出てきている事例です。先ほどより、悪目立ちをしている印象は受けないかと思います。理由は、枠を「SUS(ステンレス)製」としている為です。外構の仕上げの色に合わせて、化粧蓋の枠の色を選ぶことが大事だと考えます。

下記の写真は、複数の化粧蓋が出てきていますが、黒色の枠(鋳物目地)のときより、今回のシルバー色(ステンレス目地)の方が、全然すっきりしていることが分かります。

ただし、気を付けないといけないのは、化粧蓋「黒色(鋳物目地)」より、化粧蓋「シルバー色(SUS製)」の方が、コストがお高い為、必ず設計段階で、設計図に記載をしておく必要があります。皆様、気を付けてください!

◆まとめ

本日は、化粧蓋を選定する際に、気を付けるべき事についてまとめました。勘所は下記のとおりです。

<勘所>
・汚水桝の蓋は、「防雨・防臭型」にする必要がある為、枠や角が太くなる。
・化粧蓋の枠には、2種類ある。「黒色(鋳物目地)」と「シルバー色(SUS目地」
・外構のタイルに合わせ、枠の色を選定する必要がある。

以上、また投稿します。

KC

「雨樋(特に竪樋)」の上手な隠し方について

雨樋(あまどい)は、屋根やバルコニーに落ちた雨水を受け、上部(屋根やバルコニー)から地中まで竪樋(たてどい)という配管で導き、公共の道路の下(地中)に埋まっている雨水管や下水管へ雨水管を接続します。主に、良く目につく、「竪樋(たてどい)」について、上手に隠している事例を紹介します。

◆目次

  • 気づき1(色違い)
  • 気づき2(露出展開)
  • 良い事例1(色合わせ)
  • 良い事例2(庇内隠ぺい)
  • まとめ

◆気づき(色違い)

下記の写真は、賃貸マンションのエントランス横の竪樋(たてどい)の写真です。上階の柱と梁の色が「茶色」である為、樋の色も「茶色」で統一されています。しかし、1階のタイル仕上げの色は、「黒色」であるにも関わらず、樋の色は、上階と同様の「茶色」となっています。

デザインで意図的に行っているのなら良いのですが、この事例は、1階の仕上げの色が変わることを見落として、そのまま「茶色」で施工されてしまった事例です。

「上手に隠す」ことを考えるのであれば、「色合わせ」は行う必要があります。

◆気づき2(露出配管)

下記の写真は、賃貸マンションのエントランス横の竪樋(たてどい)を、水平に展開させ、エントランス横に、配管が落ちてくるのを避けた写真です。

この事例では、2つの「改善点」が考えられます。1つ目は、「色合わせ」は、軒天井の色ではなく、「壁面の色に合わせる」方が良い事。2つ目は、配管を「水平展開」するなら、軒天井にさらなる厚みを作り、配管を天井内に隠ぺいする方が良いと思います。

◆良い事例1(色合わせ)

下記の写真は、賃貸マンションのエントランス横の竪樋の写真です。壁面の「仕上げの要素」として、グレーのタイルと、黒色のアクセントパネルで構成されている為、竪樋を「黒色」にした写真です。

◆良い事例2(隠ぺい配管)

下記の写真は、軒下に配管を水平展開するスペースを設けている写真です。この状況のあと、パネルで軒下を塞ぐことにより、竪樋を隠ぺいし、配管の更新等のメンテナンスも容易にでき、一石二鳥です。

下記の写真の右側について、グレーのボーダータイルで仕上げた壁は、「ふかし壁」となっており、水平展開した配管を、縦方向に落とす際に、配管を上手に隠している事例です。

◆まとめ

今回は、竪樋(たてどい)の上手な隠し方についてまとめました。

本日の「勘所」は下記の通りです。

<勘所>
・竪樋をデザインするには、「色合わせ」または「隠ぺい」が必要
・色合わせを行う場合は、壁面の色味に合わせる
・隠ぺいを行う場合は、庇と壁に「ふかし」を設ける

以上、また投稿します。

KC

天井の「制気口」の上手な隠し方

制気口は、換気の為の給排気用、または天井隠ぺい型の空調機の為の、給気または還気用に設置します。天井には余計なものを設置しない方が、カッコいいに決まってます。しかし、必要な設備を、いかに上手に隠すかの事例について、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 良い事例1
  • 良い事例2
  • まとめ

◆気づき

下記の写真は、ホテルの廊下の写真です。とても綺麗な廊下で、グレアレスのダウンライトを使用し、照明の存在感も、良い感じに消えています。しかし、制気口が目立っています。目立ってしまう1番の要因は、制気口の隙間が黒いためです。フェイスは白色で、天井デザインに配慮されていますが、黒く見えてしまっています。なお、隙間は機能上(空気を給排気するため)、必要です。

◆良い事例1

下記の写真は、壁際に制気口が配置されている写真です。制気口の隙間は、どうしても黒く見えてしまいます。なので、いっそのこと天井を、黒色の塗装または、黒色のクロスで仕上げ、そのラインに制気口を並べると、制気口が目に入らなくなります。もちろん、制気口のその先の、チャンバーボックス内側も、黒く塗る必要はあります。

近くで見ると、下記の写真のように、制気口の存在はわかりますが、ここまでしっかり見る方は、あまりいないと思います。笑

◆良い事例2

下記の写真は、壁面に吹き出し口を設けているパターンです。天井の高さが高いと、空調しないといけない空間が増える為、吹き出し口を居住域近くまで下げて、壁から吹き出している事例です。黒色の枠を選定しているのは、正解だと思います。なぜなら、吹き出し口の隙間は黒く見えてしまうため、黒で統一するのがセオリーだと思います。

◆まとめ

制気口の上手な隠し方の事例を紹介しました。制気口が目立ってしまう1番の要因は、制気口の隙間が黒い為、白い天井に設置する場合は、どうしても気になります。割り切ることも良いと思いますが、デザインで隠す方法を考る必要があると思います。方法は、下記2つ。

<勘所>

・天井に黒いラインを作り、黒いライン上に制気口を設置する。

・白い天井や壁には設置せず、制気口を黒色で塗装する。

以上、また投稿します。

KC

折り上げ天井部に「制気口」を設置するのは避ける

少しでも広い空間を演出しようと、また、デザインに変化を与えようと、折り上げ天井を採用することが多いと思います。そして折り上げ天井の立ち上がり部には、空調用の制気口(吹き出し口または、吸い込み口)を設けたくなるのですが、避けた方が良いと考えます。以下、理由と共に、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 良い事例
  • まとめ

◆気づき

下記の写真は、ホテルの客室内の写真です。折り上げ天井を設け、その立ち上がり部には、間接照明でおしゃれに演出しているのですが、立ち上がり部に設けられた制気口も一緒に照らされています。間接照明は、「綺麗な壁」を照らすのに有効ですが、目立たせたくないものを敢えて目立たせる演出は、避けるべきかと思います。

◆良い事例

下記の写真は、立ち上がり部に設けたくなるのを我慢し、敢えて、天井面に制気口を設けた写真です。目立たせるものと目立たせないものを明確に分け、デザインされているのが、とても良いと思います。

◆まとめ

折り上げ天井の立ち上がり部は、間接照明で演出することが予想されます。ゆえに、以下の事を念頭に置く必要があると思います。

<勘所>
計画・設計段階から立ち上がり部に制気口を設けるデザインは避けることを考える

なお、制気口が、人間のアイレベルから見えないように断面図で検証していれば、全然問題ないと思います。

以上、また投稿します。

KC

「屋内消火栓」の意匠配慮の仕方について

屋内消火栓は、ある一定の規模以上の建物になると、消防法上、設置を義務づけられています。しかし、消火栓であっても、意匠に配慮しないと、大変なことになってしまいます。そこで、今回は、屋内消火栓の意匠性の配慮について、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 事例1(指定色塗装)
  • 事例2(指定色塗装)
  • 事例3(特注品)
  • まとめ

◆気づき

事務所の廊下で、白い壁に対し、クリーム色の屋内消火栓が設置されていることがありました。コスト削減の為と言えば、それまでなのですが、どんな建物でも、デザインに拘って作っている為、消火栓の色も配慮してあげる必要があると考えます。

◆事例1

下記の写真は、白色に塗った事例です。消火栓の仕上げを「指定色塗装」で注文すれば、好きな色に塗ることが可能です。まずは、「指定色塗装」は必須かと思います。

◆事例2

グレーの色に塗った事例です。デザインを考えて、グレートしているものの、消火栓は目立たせる必要はないと考えますので、やはり、個人的な意見としては、壁と同色をお勧めします。

◆事例3

下記の事例は、壁の仕上げに合わせた消火栓を設置したパターンです。柱型に仕上げとしてタイルを貼っており、そのタイルを消火栓BOXにも貼り付けたものです。ここまで配慮すれば完璧ですが、通常の消火栓の2倍程度のコストがかかる為、お財布と相談してください。

◆まとめ

消火栓の意匠配慮についてまとめました。上記で紹介した内容以外にも、消火栓の枠がフラットバー(銀色の枠の見付が細いもの)タイプもあります。まとめると、消火栓の意匠については、下記の順にグレード設定をするのが良いと考えます。

①標準品

②指定色塗装品

③フラットバータイプ+指定色塗装品

④特注品(建築仕上げを踏襲するタイプ)

以上です、また投稿します。

KC

「潅水ホース」を設置する際の配慮について

花壇や植栽帯に、潅水設備を設ける場合は、潅水ホースを設置する必要があります。しかし、意匠に配慮して植栽を設けているのにも関わらず、ホースが表面に出てくるとあまり良い印象は受けない為、土の中に埋めることをお勧めします。今回は、その理由を以下にて、説明します。

◆目次

  • 気づき
  • 事例1
  • 事例2
  • 良い事例

◆気づき

外構の計画やデザインには非常に気をつかうのに、竣工した建物を見ると、意外と潅水ホースが、露出して設置されていることを目にします。

◆事例1

散水栓や屋外コンセントのデザインはとても気を使っていて、さらに、ホースの色も茶色にし目立たなく配慮しているので良い事例ではあるものの、さらに、潅水ホースを見せないよう配慮すべきと思います。

◆事例2

散水栓に潅水ホースを直接差し込むタイプの場合、どうしても接続する箇所は露出してしまいます。さらに、散水栓のデザインに配慮し、「ドーム型」を採用してはいるものの、逆に蓋が閉まらず、使いにくくなってしまう事もあります。

◆良い事例

潅水ホースは、周囲の色と同色のものを使い、土に埋込む。そして、散水栓は見えにくい場所へ設置し、ホースを接続する事を考えるのが良いと思います。

◆まとめ

潅水ホースを設置する際に配慮すべきは、以下の3点と考えます。

<勘所>

①潅水ホースは土の中に埋めること

②潅水ホースの色は、周囲の色に合わせる。

③潅水ホースを接続する散水栓の位置は、利用者の目に見えにくい場所に設置する。

以上です。また投稿します。

KC

「消火器」の正しい位置が分かる為、設置する際の工夫の仕方

消火器は、消防に設置届が必要で、設置届の際に平面図に消火器をプロットしたものを提出します。その為、勝手に設置位置を変更することはNGとなります。ゆえに、家具を置くため、消火器が移動されてしまった場合でも、元の位置が分かるよう「印」があると便利です。どのように「印」をつけているか、下記にて、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 良い事例1
  • 良い事例2

◆気づき

物流施設で、少し消火器を動かした際、「元の位置が分からず、竣工時点の図面を確認し、あるべき位置に設置しなおす。」という出来事がありました。

消火器の設置位置は、消防法にて、ある一定の歩行距離(設置間隔)で設置する旨が定められており、届け出無しに、設置位置を変更することはできません。

◆良い事例1

例えば、下記の事例のように、消火器スタンドの後ろに、表示プレートを設置し、動かした場合でも、元の位置が分かる工夫を行うと、あるべき位置を見失わくて便利です。

◆良い事例2

次に、下記の事例のように、消火器スタンドの床面に、消火器の「消」の字をくり抜いたプレートを1枚作成し、スプレーで塗料を吹きかけ塗装する。という手法も有効だと思います。(ちなみに、良い事例1の消火器プレートは、モノタロウで1枚77円で売られています。コストを掛けるべきところではない為、より安い手法で行うのがベターかと思います。)

◆まとめ

今回は、コンクリートスラブに消火器を置く場合の工夫について、紹介しましたが、カーペットや塩ビタイルの場合も同様に、「動かされる可能性がある」消火器は、別途、マークを設置するのが良いと思います。

<勘所>
・付属のプレートとは別に、壁面に表示プレートを設置する
・付属のプレートとは別に、床に直接、「消」と塗装する

以上です。また投稿いたします。

KC