「屋外コンセント」を外壁に設置する際に気を付けること

屋外コンセントを露出して設置する場合(ALC外壁、サンドイッチパネル外壁、押し出し形成セメント版外壁など)は、コンセントボックスが露出してきます。その際に、選定した屋外コンセントによっては違和感を生じる可能性がある為、今回はその注意点(品質性・安全性)についてまとめます。

◆目次

  • 気づき
  • 屋外コンセントプレートの種類について
  • 良い事例
  • 補足)コンセントボックスの規格品
  • 補足)専用のコンセントボックス
  • まとめ(勘所)

◆気づき

下記の写真は、ALCの外壁に屋外用コンセントを設置している写真です。違和感にお気づきとは思いますが、銀色のボックスとコンセントのプレートのサイズが合っていないです。

コンセントを設置の手順としては、「ALC外壁」→「コンセントボックス」→「屋外用コンセント」の順に取り付けております。なお、ALCパネルの構造上、コンセントを埋め込むことができない為、配線は室内側を通し外壁側には見えてきていないのですが、コンセントボックスは露出してきます。コンセント(スイッチ)ボックスは規格品である為、メーカー側が、屋外コンセントを露出設置する為の「専用のコンセントボックス」を用意していない場合は、下記のような取付方法となってしまいます。

また、同じコンセントプレートに関して、なんとか規格品を用いて、コンセントプレートに合わせた露出ボックスを選定しようとすると、以下のようなプルボックスを採用した設置方法となってしまいます。こちらは、性能上は◎ですが、意匠上は△かと思います。

◆屋外コンセントプレートの種類について

以前、ブログでまとめておりますので、下記のリンク先にて説明しております。是非、ご参照ください。

「屋外コンセント」のデザインと選び方について – 建築の勘所ブログ (kc03.blog)

◆良い事例

下記の写真は、コンクリートの壁に吹付タイルを塗装している外壁に、コンセントを露出設置したものです。露出配管が出ていることは、一旦、置いておきまして、、、(笑)

こちらは、既製品のコンセント(スイッチ)ボックスの規格品に、屋外コンセントプレートを設置しています。使用している規格品のコンセント(スイッチ)ボックスのサイズは、高さ(H=119mm)と幅(W=72mm)です。そして、使用しているコンセントプレート(カバー)のサイズは、高さ(H=132mm)と幅(W=75mm)であり、ちょうど良い感じにフィットしていることが分かるかと思います。

◆補足)コンセントボックスの規格品

下記の画像は、パナソニック社のホームページより、電設資材一覧から抜粋しています。1個用ボックスから、6個用コンセント(スイッチ)ボックスまでの画像です。屋外コンセントを外壁に埋め込めない場合、露出設置となり、「露出ボックス」が出てきてしまうため、コストを抑えて工事を行う場合、下記の「規格サイズ」に合わせて、屋外用コンセントプレートを選択する必要があります。

◆規格品一覧

参考までに、「1個用ボックス(DS4911K)」の価格は、¥470

引用:パナソニックホームページより

鋼板製ボックス・カバー | 鋼製電線管 | 電線管 | Panasonic

◆補足)専用のコンセントボックス

下記の画像は、いわゆる「専用ボックス」で、コスモシリーズワイド21の屋外コンセントプレート専用のボックス(品名:薄形配線スペーサ、品番:WK9806)です。こちらを使用すれば、ジャストフィットとなります。

◆専用ボックスについて

↓コスモシリーズワイド21の屋外コンセントプレート

↓上記コンセントプレートの「専用ボックス」

参考までに、価格は、¥1,100

引用:パナソニックホームページより

ワイド21 屋側プレート | 商品ラインアップ | コスモシリーズワイド21 | スイッチ・コンセント(配線器具) | Panasonic

◆まとめ(勘所)

今回は、「屋外コンセントを外壁に設置する際に気を付けること」についてまとめました。外壁に埋め込めず、露出設置せざるを得ない場合は、露出ボックスとコンセントプレートのサイズに注意してください。

<勘所>
・屋外コンセントを外壁に露出設置する場合は、露出ボックスとプレートのサイズを合わせる
・露出ボックスは、「規格品のボックス」と「専用ボックス」がある

本ブログが、皆様のお役に立てればと思います。

以上、また投稿します。

KC

「屋外コンセント」のデザインと選び方について

最近は、屋外コンセントのラインナップが増えてきたように思います。昔は、選択の余地がなく、アイボリー色(クリーム色系)の製品一択だったかと思います。屋外コンセントを選ぶ際のポイントについて、今回は、屋外コンセントの種類「防雨コンセント(鍵無し)」と「防滴カバー(鍵有り)」の「デザイン」比較について、纏めます。

◆目次

  • 気づき(防雨コンセントのデザイン)
  • 比較表(防雨コンセントのデザイン)
  • 気づき(鍵付きカバーのデザイン)
  • 比較表(鍵付きカバーのデザイン)
  • 補足)屋外コンセントの防水性能について
  • まとめ(勘所)

◆気づき(防雨コンセントのデザイン)

下記の写真は、戸建て住宅の外壁面に、最も一般的な「屋外コンセント」を設置している写真です。外壁のデザインに配慮して、木目調のサイディングボードを選定していると思うのですが、アイボリー色のコンセントを設置することにより、少し残念な印象を受けてしまいます。

ちなみに下記の写真は、先ほどのアイボリー色の屋外コンセントを、意匠に配慮された屋外コンセントに変更した写真です。大した金額ではない(およそ「¥1,000/個」の違い)為、ここは、必ず意匠配慮を行うべき箇所だと考えます。

次項で、各社の製品比較を表にまとめましたので、ご覧ください。

◆比較表(防雨コンセントのデザイン)

下記の比較表は、屋外コンセントの主要メーカー(パナ、東芝)の製品比較です。コンセント用のカバーがついている為、雨の日でも使用可能となっているのが特徴です。比較表を見ると、屋外コンセントのデザイン配慮のシリーズは、ともにラインナップとして用意されていますが、選択できる「色の種類」が、「4色」と「1色」と違いがあります。メーカーを選定する際は、気を付けて頂ければと思います。

No. 1234
会社パナパナ東芝東芝
画像
※引用
クリームシルバー
ブロンズ
白、黒
ホワイト
ベージュ
ブラウン
シルバー
型番WK4105WK4602SKDC1092EDC1102E
仕様
サイズ
IPX3
W93
×H121
×D63.5
IPX3
W87
×H126
×D67
IPX3
W93
×H121
×D63.5
IPX3
W87
×H126
×D66.5
雨の日使用可使用可使用可使用可
定価¥1,650¥2,200¥1,800¥2,200
表:防雨コンセント

※引用元

パナソニックホームぺージ
屋外用防水コンセント | 屋外用配線器具 | Panasonic

東芝ライテックホームページ

接地防水コンセント | 配線器具・ライティングレール®(ライティングダクト) | 商品紹介 | 東芝ライテック(株) (tlt.co.jp)

◆気づき

下記の写真は、賃貸マンションのエントランス横の設備スペースの壁面に、屋外コンセント(防滴プレート鍵付き)が設置されている写真です。道路に面している場所の為、黒いタイル貼りの壁である為、アルミルーバーや建具、ベントキャップは黒色に塗らていますが、コンセントは「シルバー色」となっている写真です。エントランス付近は、色合わせ必須の場所の為、こういったことが起こらないよう、各社の製品のラインナップは把握しておくことが必要だと思います。

ちなみに下記の写真は、色合わせを行えている、好事例となります。普段使用しないもの(掃除用コンセント)等は、存在感を消してあげることが重要だと思います。

次項で、「鍵付きコンセントプレート・カバー」について、各社のラインナップをまとめさせていただきます。無人管理の共用部で、「盗電対策」として、鍵付きのカバーを採用することが多いと思います。その為、「鍵付き」に限定して紹介します。

◆比較表(鍵付きカバーのデザイン)

下記の比較表は、主要各社の「コンセントカバー(鍵付き)」の一覧です。屋外のコンセントと言えば、パナソニック社製が有名ですが、TERADA(旧:寺田電機製作所)もお勧めです。今回は、この2社の一覧表を作成しました。今回驚いたのですが、TERADAより、「IPX5」の防水性能のコンセントも販売されているのがわかるかと思います。

No. 参考12345
会社パナパナパナ寺田寺田寺田
画像
※引用
シルバー
シルバー
ブロンズ
白、黒
シルバー
ブロンズ
白、黒
ホワイト
グレー
ホワイト
ブラウン
シルバー
ブラック
型番WTF
7873K
WK
4702S
WTF
7983S
RDS
30000W
RDS
20000W
RDC
50000SL
防水
材質
サイズ
IPX3
金属
W75
×H132
×D36
IPX3
樹脂
W87
×H190
×D78
IPX4
樹脂
W75
×H132
×D17.5
IPX4
樹脂
W73.2
×H142.1
×D22.5
IPX3
樹脂
W70
×H155
×D60
IPX5
アルミ
W73
×H157
×D19.2
雨の日(物によっては)
使用可
使用可使用不可使用不可使用可使用不可
定価¥2,250¥6,800
(コンセント付き)
¥3,200¥1,800¥3,580オープン
表:屋外プレート(コンセントカバー)

※引用元

パナソニックホームぺージ
ワイド21 屋側プレート | 商品ラインアップ | コスモシリーズワイド21 | スイッチ・コンセント(配線器具) | Panasonic

TERADA(旧寺田電機製作所)ホームページ

セキュリティーカバー | ページ 2 | 株式会社TERADA (terada-ele.co.jp)

なお、No.5の製品を使用する際は、気を付けないといけない点がありますので、下記のブログにて、その注意点を紹介しています。

引用:建築の勘所ブログより

「屋外コンセント」を外壁に設置する際に気を付けること – 建築の勘所ブログ (kc03.blog)

◆補足)屋外コンセントの防水性能について

上記の「比較表(鍵付きカバーのデザイン)」において、防水・防滴性能を示す、IPXについて記載をしています。IPX「3」より「4」の方が防水性能が高いことを示しています。清掃程度の使用を想定しているコンセントの場合は、下記の写真(ホテルの大浴場内の清掃用コンセントのカバー)のように「IPX4」を選定するのを推奨します。

引用:蓄電池コンシェルジュホームページより

「IPX(防水性能)」に関する記載は、下記リンク先が参考になります。
蓄電池の防水性能を表すIPXとは?IPX4以上なら雨が振っても屋外で安心して使える! (batteryconcier.com)

◆まとめ(勘所)

今回は、屋外コンセントの意匠性について纏めました。屋外コンセントの「勘所」は、下記のとおりです。

<勘所>
・屋外コンセントは、外壁の色に合わせ「色合わせ」を行う。
・各メーカーの製品のラインナップを把握する。
・「防雨(雨の日でも使用可能)型」と「防滴(雨の日は使用不可)型」があることを理解する。
・普段使用しない清掃用コンセントは、防水性能が高い「IPX4」を選定することを推奨。

本投稿が、皆様のお役に立てればと思います。

以上、また投稿します。

KC

室内の「床見切り材」を選定する際に気をつけること

建築の床仕上げにおいて、仕上げが変わる箇所には、床見切りを設ける事が多いと思います。今回は、ホテルの客室に置いて、「床見切り」で気づいたことを紹介し、配慮したい勘所について、以下、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 事例1
  • 事例2
  • 事例3
  • まとめ

◆気づき

ホテルの客室にて、共用部は下足ですが、客室内はスリッパ履きとする空間は、日本では良くあるかと思います。そこで、下記の写真では、フローリングとカーペットの間に、床見切りが設置されており、材質は「SUSのフラットバー」が使用されていました。

この、フラットバー部分を足で踏んだ際、スリッパのソールが薄いのもあったかもしれませんが、少し痛いと感じました。

下記のような断面となっており、カーペットの方が床見切りより、背が高く、痛くならないように配慮はされていたものの、踏むとカーペットが潰れ、SUSの見切りの部分が足の裏に当たり、痛みを感じたのだと思います。

◆事例1

下記の写真は、フローリングとカーペットの間を、木見切り(もくみきり)にて、床仕上げを切り替えている部分です。ここは、踏んでも全く痛くありませんでした。

◆事例2

下記の写真は、「ビニルタイル」と「フローリング」の床仕上げの境目に、SUS見切りを設けている事例です。ここも、踏んでも、全く痛くありませんでした。

◆事例3

下記の事例は、フローリングと畳とカーペットの先目に「木見切り」を設置した事例です。ここも、踏んでも痛くありませんでした。

◆まとめ

本日は、床仕上げと床見切り材の違いにより、スリッパ履きの場合でも痛くないか確認しました。結論としては、「カーペット+SUS見切り+フローリングやビニルタイル」の組み合わせは、痛みを感じる為、スリッパ履きのホテルでは、避けた方が良いと考えます。

<勘所>
カーペットとフローリング、カーペットとビニルタイルの床見切り材に、「SUS見切り」を使用する場合、スリッパ履きのホテル・旅館ではないか、確認が必要。

以上、また投稿します。

KC

地上設置の「ケーブルラック」で気を付けたいこと

屋外で舗装されていない「土」の上にケーブルラックを設置する際、気を付けなければいけないことがあります。どういった点に気を付けるべきか、事例を基に、以下で紹介していきます。

◆目次

  • 気づき
  • 良い事例1(砂利敷)
  • 良い事例2(ラックカバー設置)
  • まとめ

◆気づき

下記の写真は、物流施設の外構部分で、利用者があまり立ち入らない場所に設置されているケーブルラックです。開発工事で、法面を成形し、その地盤面にケーブルラックを設置している事例です。

下記の写真は、上の写真のUP画像です。雨が上から地面に落ちて、跳ね返った泥水が、ケーブルに付着し、ケーブルが土で覆われてしまっているのが分かると思います。ケーブルは電気が流れると「熱」を持つため、「放熱」が必要です。しかし、土が付着すると、正しく放熱が出来なくなる可能性があります。(補足ですが、国交省のケーブル許容電流の計算式に、「土が付着した場合」という低減係数は用意されていない為、土は付着することは、宜しくないかと思います。)

◆良い事例1

では、一般的にどうすればよいかですが、下記の写真のように、外構部の仕上げは、「砂利敷き」または「アスファルト舗装」とすることが良いと考えます。

◆良い事例2

土が付着するのを防ぐには、下記の写真のように、2段目も「ラックカバー」を設置する事が良いと思います。利用者が立ち入らない「屋上」にケーブルラックを設置する際は、2段目以降に「カバー」は設置しないかと思いますが、「利用者が容易に触れてしまう場合」や、「汚れの付着が懸念される場合」はカバーを設置することをお勧めします。建築工事に頼らず、設備工事だけで対応するのであれば、「ラックカバー」は、設計時にスペックインしておくのが良いと思います。

◆まとめ

今回は、少しマニアックですが、屋外ケーブルラックを設置する際に、気を付けたいことについてまとめました。勘所は以下の通りです。

<勘所>
・外構の仕上げは、「砂利敷」または「アスファルト舗装」になっているか確認
・「利用者が容易に触れてしまう場合」や、「汚れの付着が懸念される場合」はカバーを設置

以上です。また投稿します。

KC

「消火器」の正しい位置が分かる為、設置する際の工夫の仕方

消火器は、消防に設置届が必要で、設置届の際に平面図に消火器をプロットしたものを提出します。その為、勝手に設置位置を変更することはNGとなります。ゆえに、家具を置くため、消火器が移動されてしまった場合でも、元の位置が分かるよう「印」があると便利です。どのように「印」をつけているか、下記にて、紹介します。

◆目次

  • 気づき
  • 良い事例1
  • 良い事例2

◆気づき

物流施設で、少し消火器を動かした際、「元の位置が分からず、竣工時点の図面を確認し、あるべき位置に設置しなおす。」という出来事がありました。

消火器の設置位置は、消防法にて、ある一定の歩行距離(設置間隔)で設置する旨が定められており、届け出無しに、設置位置を変更することはできません。

◆良い事例1

例えば、下記の事例のように、消火器スタンドの後ろに、表示プレートを設置し、動かした場合でも、元の位置が分かる工夫を行うと、あるべき位置を見失わくて便利です。

◆良い事例2

次に、下記の事例のように、消火器スタンドの床面に、消火器の「消」の字をくり抜いたプレートを1枚作成し、スプレーで塗料を吹きかけ塗装する。という手法も有効だと思います。(ちなみに、良い事例1の消火器プレートは、モノタロウで1枚77円で売られています。コストを掛けるべきところではない為、より安い手法で行うのがベターかと思います。)

◆まとめ

今回は、コンクリートスラブに消火器を置く場合の工夫について、紹介しましたが、カーペットや塩ビタイルの場合も同様に、「動かされる可能性がある」消火器は、別途、マークを設置するのが良いと思います。

<勘所>
・付属のプレートとは別に、壁面に表示プレートを設置する
・付属のプレートとは別に、床に直接、「消」と塗装する

以上です。また投稿いたします。

KC