非常照明器具の存在感を小さくしたいと思ったことはありませんか?近年、LED技術の発展により、一般照明器具(ベースライト、ダウンライト、ブラケットライトにスポットライト等)だけではなく、5~6年前から「非常照明器具」もLED化されています。今回は、非常照明器具の意匠配慮の方法について、紹介いたします。
◆目次
- 気づき
- 比較表(色)
- 比較表(サイズ)
- まとめ(勘所)
◆気づき
下記の2つの写真は、共にLEDタイプの「非常照明(埋め込み型)」の写真です。通常の場合と、意匠配慮した場合の2つの写真を見比べると、非常照明の「色」と「サイズ」の2点の違いに気付くかと思います。1点目の「色」について、通常の場合は「白色」の非常照明なのですが、「黒色」となっている点。2点目の「サイズ」は、フェイスの径が、1枚目は通常サイズですが、2枚目は、1枚目よりも小さい径になっている事に気づくと思います。
↓写真1(通常の場合)
↓写真2(意匠配慮した場合)
以降では、非常照明の意匠性について、写真や仕様を基に、主要3社(パナソニック、東芝ライテック、三菱電機)の製品を比較表にまとめたので紹介していきます。
◆比較表(色のラインナップ)
色のラインナップについて、下記の表に纏めます。「黒色」の非常照明は、2~3年前はパナソニックのみでしたが主要3社において、販売されております。また、販売価格は一律となっていますので、選定する施工会社様によってコストに違いが出てくるかと思います。なお、黒色の非常照明が使用できるのは、天井高さが6mまでの空間である為、6m以上の天井高さの場所、白色や黒色以外の色を選定したい場合は、「指定色塗装」が必要となります。
No. | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
会社 | パナ | パナ | 東芝 | 東芝 | 三菱 | 三菱 |
画像 ※引用 | ||||||
色 | ホワイト | ブラック | ホワイト | ブラック | ホワイト | ブラック |
径 | φ120mm | φ120mm | φ120mm | φ120mm | φ120mm | φ120mm |
仕様 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 |
定価 | ¥84,500 | ¥88,200 | ¥84,500 | ¥88,200 | ¥84,500 | ¥88,200 |
※引用
↓パナソニックホームページより引用
電源別置型 専用型 | 非常灯(LED非常用照明器具)| Panasonic
↓東芝ライテックホームページより引用
LED非常用照明器具 専用形 双方向リモコン自己点検機能付き | LED屋内照明器具 | 施設・屋外照明器具 | 商品紹介 | 東芝ライテック(株) (tlt.co.jp)
↓三菱電機ホームページより引用
ラインアップ:非常用照明器具/LED誘導灯|三菱電機 照明 (mitsubishielectric.co.jp)
◆比較(サイズのラインナップ)
サイズのラインナップについて、下記の表に纏めます。LED非常照明(電源内蔵型)が発売された頃(2017年頃)は、φ170の非常照明でした。しかし、数年前に小口径タイプが発売され、フェイスの径がφ170からφ120が一般的となってきました。ただ、ハロゲン電球時代の非常照明から同様に、「電源別置型(建物の電気室内に蓄電池を置くパターン)」の場合は、LED化された現在でも変わらず、φ120よりさらに小さい「φ72mm」となっています。
No. | 1 | 7 | 8 | 9 |
会社 | パナ | パナ | 東芝 | 三菱 |
画像 ※引用 | ||||
色 | ホワイト | ホワイト | ホワイト | ホワイト |
径 | φ120mm | φ72mm | φ72mm | φ75mm |
仕様 | 天高6m 電源内蔵 埋込型 | 天高6m 電源別置型 埋込型 | 天高6m 電源別置型 埋込型 | 天高6m 電源別置型 埋込型 |
定価 | ¥84,500 | ¥42,300 | ¥42,300 | ¥42,300 |
※引用
↓パナソニックホームページより引用
電源別置型 専用型 | 非常灯(LED非常用照明器具)| Panasonic
↓東芝ライテックホームページより引用
LED非常用照明器具 専用形 双方向リモコン自己点検機能付き | LED屋内照明器具 | 施設・屋外照明器具 | 商品紹介 | 東芝ライテック(株) (tlt.co.jp)
↓三菱電機ホームページより引用
ラインアップ:非常用照明器具/LED誘導灯|三菱電機 照明 (mitsubishielectric.co.jp)
少し大きな建物以上(1~3万㎡以上)とならない限り、電源別置型の非常照明を使用することはないかと思いますが、主要3社ともに、小口径(φ72~75mm)の非常照明のラインナップはあります。
ただ、気を付けて頂きたいのは、電源別置型の非常照明には、「黒色」が標準色として用意されていない為、現在(2023年8月時点)では、電源別置型を採用する場合は、下記の事例のように「指定色塗装」をせざるを得ません。
◆まとめ
今回は、非常照明の意匠配慮の方法について、まとめました。非常照明や、非常放送設備といった「防災設備」は、国土交通大臣や総務大臣の「認定品」でなくてはならない為、各社の製品について、出来ることとできない事、さらにコストまでを把握し、提案していくことが重要と思います。非常照明の意匠配慮についての「勘所」は下記のとおりです。
<勘所> ・電源内蔵型の非常照明には、標準色として「白色」と「黒色」のラインナップがある。 ・電源別置型の非常照明には、標準色として「白色」しかない。 ・拘りの場所は「指定色塗装」とする。 ・サイズは電源内蔵型は「φ120」、別置型は「φ72~75」が最小寸法。
本内容が、皆様のお役に立てればと思います。
以上、また投稿します。
KC