建物の道路境界の箇所に、水道メーターを入れる為の「水色の量水器ボックス」を見かけることがあると思います。量水器ボックスが、建物の正面側に設置されていなければ、目につかない為問題ないと思いますが、エントランスまでのアプローチ動線上に、出てきてしまう場合、意匠的な配慮をしてあげるべきと考えます。今回は、量水器の意匠配慮事例を、紹介します。
◆目次
- 気づき
- 事例1(蓋の色を変える)
- 補足(水道局の基準、メーカーの紹介)
- 事例2(鋳鉄製の量水器ボックスを設置)
- まとめ(勘所)
◆気づき
下記の写真は、集合住宅(アパート)のエントランス前に設置された、複数の量水器ボックスの写真です。素材は樹脂製(正確にはPVC(ポリ塩化ビニル)製)です。この集合住宅は、各住戸の水道メーターを外構部分に設置している為、このように複数の水色の蓋の量水器ボックスが並ぶこととなっています。都市部は建蔽率および容積率を限界まで使う為、設置場所が限られてしまい、致し方ないかと思います。しかし、少しでも意匠性に配慮するには、どのような手法があるかを紹介したいと思います。
◆事例1(蓋の色を変える)
下記の写真は、集合住宅(アパート)のエントランスへ繋がるアプローチ部分です。こちらの事例も、先ほどの写真と同様に、各住戸の水道メーターを外構部分に設置している為、複数の水色の蓋の量水器ボックスが並んでいます。しかし、下記の写真の場合は、蓋の色を「白色」にしている為、水色ほど違和感はなく、意匠性に配慮している良い事例だと思います。
◆補足(水道局の基準)
蓋の色を変更してよいかどうかは、各自治体の水道局の基準にもよりますが、東京都水道局は、指定された製品であれば「蓋の色」は何色でも良いとのことです。(以下、リンク先参照)
◆補足(メーカーの紹介)
蓋の色のラインナップを揃えている会社について、例えば下記の会社があります。以下のリンク先を参考にして頂ければと思います。
※引用元:栗本商事株式会社ホームページ
◆事例2(鋳鉄製の量水器ボックスを設置)
下記の写真は、集合住宅(マンション)の駐車場前に設置された、水道メーター(量水器ボックス)の写真です。「黒色の蓋」となっているのが分かると思います。こちらは、「鋳鉄製(ちゅうてつせい)」となっており、耐荷重が必要な場所、つまり、車両の通行がある場所(駐車場へのアプローチ、緊急車両停車場所)に用いられます。鋳鉄製の為、必然的に黒色となるのですが、意匠に配慮していると言えると思います。
◆まとめ(勘所)
今回は「量水器BOX(水道メーター)の蓋の色の配慮」について、紹介しました。まずは、設計段階で量水器ボックスの位置に配慮し、それでも、エントランス前に出てきてしまう場合は、蓋の色を変える事が必要だと思います。その為、今回の勘所としては、下記のとおりです。
<勘所> ・設計段階で、量水器ボックス(水道メーター)は、目立たない位置へ計画する。 ・敢えて車両が通行する場所へ計画し、鋳鉄製(黒色)の製品を選定する。 ・通常の場所の場合、樹脂製(基本は水色)となる為、指定色品を選定する。
以上、また投稿します。
KC