「天井点検口」の種類と意匠配慮について

建築の天井面には、複数の機器(照明器具、空調機、防災設備など)が設置されます。また、天井の中には、複数の配管やダクトが通っており、機器や配管ダクト類の点検の為の「点検口」が天井に設置されます。天井点検口には、主に3つ(額縁、額目地、目地)の周囲がある為、今回は、点検口を3種類、実際に設置した事例を基に、点検口が空間に与える影響について紹介いたします。

◆目次

  • 気づき
  • 事例1(額目地タイプ)
  • 事例2(目地タイプ)
  • 主な天井点検口の比較表
  • まとめ(勘所)

◆気づき

下記の写真は、賃貸マンションンの中廊下の天井の写真です。右側に映っているメーターボックスは、SD(スチールドア)の枠を見せない作りになっており、とても意匠に配慮されているにも関わらず、天井面は、「額縁タイプ点検口」が使用されています。天井に使用する際、最も一般的な点検口ではあるものの、枠の主張が強いため、意匠に配慮する場所であれば、「額縁タイプ」ではなく、もっとシンプルな「額目地タイプ、目地タイプ」を使用する方が、より良くなると思います。

◆事例1(額目地タイプ)

下記の写真は、「額目地タイプ」の点検口を使用している写真です。天井には、スポットライトが設置されている為、天井面に目線が行きやすい空間かと思います。スポットライト以外は、存在感を消した方が良いため、額目地タイプの点検口を使用している良い事例だと考えます。

◆事例2(目地タイプ)

下記の写真は、「目地タイプ」の点検口を使用している写真です。こちらは、マンションの中廊下ですが、左側の壁面を照らす間接照明を設置するなど、意匠に配慮している空間である為、天井はよりシンプルに見せる為、「目地タイプ」の点検口を使用している良い事例だと考えます。

◆比較表

上記の事例で紹介した、3つの点検口のタイプについて、コストの違いも含めて、「ナカ工業様」のHPを基に、以下、比較表にまとめます。コストは、額縁タイプの点検口を基準にすると、額目地タイプは「1.5倍」、目地タイプは「2.0倍」と変わることが分かるかと思います。コストを考えると、使用場所は、限定的に使い分ける必要があると思います。

◆点検口の比較表

額縁タイプ額目地タイプ目地タイプ
画像
※引用
品番ハイハッチSEⅡハイハッチGMⅡハイハッチMMHⅡ
標準価格
(450角
標準タイプ)
¥7,400¥10,900¥14,100
               表:主な天井点検口の比較表

※画像引用元:ナカ工業ホームページ

点検口・収納|製品情報|ナカ工業株式会社 (naka-kogyo.co.jp)

◆まとめ(勘所)

今回は、選定した点検口が、空間デザインに与える印象の違いについて紹介しました。額縁タイプは主張が強いため、意匠を配慮する箇所は、額目地タイプか、目地タイプを選定することをお勧めします。今回の勘所は下記のとおりです。

<勘所>
・意匠に配慮する空間は、額目地タイプか、目地タイプを選定する
・コストは、標準のものに比べ1.5~2.0倍となることを意識して場所を選択する。

以上です。こちらの内容が、皆様のお役に立てば幸いです。

また投稿いたします。

KC

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